生々流転
枯れた芝生に 腰掛けて
流れる川を 凝視めてる
ねぼけコオロギ 何処からか
季節忘れて 来たのやら
昨日は錆びた 朱い色で
お天道さん 見返してた
なのに今日の川の色
救いようのない苔緑
まばたきひとつ する度に
今日が昨日になって逝く
噛み殺してる 生欠伸
暮らしに慣れて 来た途端
あんな欲しいと 想ってた
希みもいつか 忘れてた
男は厚い 胸板を
ポンと叩いて 笑ってた
―雨 風 闇夜もこの俺が
お前丸ごと ひきうけた―
明日はきっと 晴れるって
一体誰れが 云えるだろう
それでもふたり 流れてく
最期の最期 笑う為
それでもふたり 流れてく
最期の最期 笑う為